読み物

連載 北の息吹

2019年3月28日

160 泥団子

160 泥団子

写真家 中島宏章


 以前、泥団子をつくるセミナーを開いたことがあります。場所は、札幌の自然あふれる山の中にある幼稚園。ここ、少し変わっていて、毎日お母さんお父さんたちも来ています。僕もここの幼稚園に通っているんですよ。


 一緒に過ごすことで自分の子の成長を間近に知ることができます。そして、大人は子どもたちから学ぶこともたくさんあり、なによりも親自身が成長できる、そんな幼稚園です。
 さて、材料は砂と水だけ。それでピッカピカに光る泥団子を作れるんですよ。コツは荒い砂から、少しずつ細かい粒の砂で磨いていくこと。大人も子どもも夢中で泥団子に向き合います(笑)。頭をフル回転させて、五感を働かせて、泥団子を傷つけないように丁寧に大切に扱います。
 子育てに、これが正解!なんてないと思いますが、自然のものを相手に五感を使って遊ぶことだけは、子どもたちから奪いたくないものです。

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