読み物

書籍紹介

2019年7月25日

闘わなければ 社会は壊れる
「対決と創造」の労働・福祉運動論

今野晴貴・藤田孝典 編

 「こんなに弱い者がいじめられ、将来の希望もみえない社会なのに、なぜ国民は政権与党を選択するのか」。そんな大きなため息とともに、第25回参議院選挙が終わった。これから日本はどうなっていくのだろうと心悩ます人のために、この一冊を紹介したい。
 日本の人口減と少子高齢化のスピードは緩むことはない。しかし打ち出される政策は、具体的な形で困難を抱える人を救うことも、見捨ててしまうことも可能だ。「待ったなし」の状態。今あらためて「福祉国家」という言葉をキーワードに、守るべきもののために闘う「社会運動」や「労働運動」のあり方を問う。
 後藤道夫氏は、福祉の対象となるための条件設定などを提起する。木下武夫氏は福祉国家における賃金体系のあり方への問題提起を「社会運動だけが労働と福祉の権利を勝ちとり、社会を根源的に変える唯一の方法だ」と、現場で働く者たちに問いかける。
 選挙結果にうつむいている時間はない。次の闘いにむけてこの本を力に、心のエネルギーの充電をおすすめしたい。(德)【岩波書店・2400円+税】

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