読み物
連載 北の息吹
2019年8月8日
169 ズボラも良し
169 ズボラも良し
写真家 中島宏章
チゴハヤブサは、ハヤブサよりも小型で主に昆虫や小鳥を餌にしている猛禽類です。
夏になると南の方から北海道や東北地方に渡ってきて、国内で繁殖をする典型的な夏鳥といえます。
ハヤブサの仲間は大空を猛スピードで飛ぶ、そんなイメージがありますし、実際にその通りです。名前も「速い翼(つばさ)」が転じて「隼(ハヤブサ)」という名前になったとか。まさに空の王者といえましょう。
そんな立派なハヤブサの仲間ですが、こと自分の家に関してはズボラ。普通、鳥といえばとても丁寧に巣を作りますよね。でもハヤブサの仲間はみな家には興味なし。
チゴハヤブサもそうで、子育てをするのは決まってカラスの古巣を利用します。
しかも、中古物件といえども、手の込んだリフォームなど一切しません。まさにズボラ。
少しくらい欠点も必要。全ての面において傑出するのは贅沢といえましょう。