読み物

書籍紹介

2020年3月12日

斎藤 貴男 著
驕る権力、煽るメディア

  「その話は本当?」「本当です。今朝の新聞に載っていました。ニュースでも言っていました」。
 このようなメディアに対する信頼はもう無い。ここ数年、安倍内閣への忖度報道が日常化する中で、私たちに「頼りになる報道など存在しない」という意識が育っている。憲法改正、沖縄新基地建設、安保法制、共謀罪法成立、森友・加計問題、「桜を見る会」など、政権を揺るがす政治問題が発覚しても、隠蔽と改ざん、強引な国会運営の中で国民にその本質が示されることもなく、権力側の思い通りの結果となっている。
 本書は、安倍内閣と周辺官僚組織による暴政、驕りの姿とその都度、マスコミは何を国民に伝えてきたのかを明らかにしている。この数年、テレビや新聞、雑誌は政治の傍観者ではなく、悪政を煽る役割を志願しながら演じたと筆者は糾弾する。
 消費税10%再増税の際、日本新聞協会は安倍内閣にすり寄り、「生活必需品扱い」の陳情を繰り返し、新聞は増税対象外となった。筆者は叫ぶ、「そんな立ち位置で、時の権力に対峙できるのか。何を伝えていくのか」と。(德)【新日本出版社・1900円+税】

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