読み物

連載 北の息吹

2020年4月9日

184「過密」


写真家 中島宏章


 美唄市にある宮島沼は、天然記念物のマガンが春と秋、渡りの途中で滞在することで有名です。ピーク時には、6万羽ものマガンが沼にひしめき合って、夜のねぐらとします。沼全体がマガンで埋め尽くされ、水面が真っ黒になるほどです。この大量の鳥が早朝、いっせいに飛び立つのですが、その迫力たるや、地球って生きてるんだな!と身震いするほどのパワーを感じさせてくれます。
 しかし、良いことばかりではありません。野鳥がここまで過密状態だと、感染症が流行したときにリスクが大きいのでは、と危惧されてきました。
 幸い、マガンの間ではそのような危機は訪れていませんが、逆に、それを心配していた人間側が、こういう状態になってしまいました。
 野生動物は、ただ「今」を懸命に生きているだけです。人間もそれは同じだと思います。でも、生涯を通じて学びを忘れず、その都度進化していけるのも人間だと僕は信じています。

読み物連載:北の息吹