読み物

書籍紹介

2020年4月23日

憲法講話 24の入門講義
長谷部 恭男 著

 「第二次世界大戦以降、世界的最大の困難」といわれる新型コロナウイルス感染の脅威の中で、これまでの政治、経済のしくみが機能不全に陥りつつある。見えない「敵」との闘いはいまだゴールは見えない。私たちの暮らしや健康が脅かされる中で、あらためていま日本という国が未来に向かってどのように歩んでいくのか、国家と私たち国民の立ち位置をしっかりと再認識する時ではないだろうか。
 本書は、憲法学者である長谷部恭男氏による最新の憲法講義集である。「近代立憲主義の成立」「日本における憲法の歴史」にはじまり、天皇制や平和主義、表現の自由や生存権、教育を受ける権利や労働に関する権利など、24の講話にまとめられている。
 一つひとつのテーマを深めるとともに、日本国憲法という「生き物」をどのように育てていくべきなのかを考える最良の教科書である。「憲法があるから民主主義が守られる」のでなく、「私たちの社会の本質が民主的であるからこそ、民主的な憲法が守られる」という著者の言葉は、日本国憲法の守り手を自負する私たちの学びへのエールなのかも知れない。 (德)【有斐閣・2500円+税】

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