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書籍紹介

2026年3月27日

仁藤夢乃 編著
Colabo攻撃 暴走するネット社会とミソジニー

仁藤夢乃 編著
Colabo攻撃 暴走するネット社会とミソジニー

 性的搾取を食い止める活動を15年以上アウトリーチ手法で行ってきた女性支援団体・一般社団法人Colabo(コラボ)が、公金を不正受給しているとのデマが拡散し、SNSや動画配信で増幅されました。

 この「コラボ攻撃」の事実と経緯を、同団体代表の仁藤夢乃氏がまとめました。関連する25件を超える民事訴訟はすべて勝訴し、デマであったことや会計不正がなかったことが司法によって認められました。しかし仁藤氏は「女性支援への影響が現在も深刻だ」と言います。

 本書は仁藤氏をはじめ、安田浩一氏、神原元氏、小川たまか氏、太田啓子氏、田中優子氏が執筆。「少女たちの居場所を襲ったデマの影響」など4部から構成され、デマが浸透した背景に、ミソジニー(女性に対する嫌悪・蔑視)があることが明らかにされます。

 仁藤氏は「今、差別と暴力が蔓延する社会の中で不安や恐怖を抱えている人が多くいます。現状を共に見つめ、痛みを言葉にし、差別や暴力の構造を理解することは、社会を変える力になります」と述べています。ネット社会では、「表現の自由」の名の下で驚くべきスピードで情報が飛び交い、真実がわからなくなることもあります。さまざまな困難を抱えている人がいる事実を発信し、そうした人々に寄り添い、一緒に歩んでいくことの大切さを教えてくれる一冊です。(の)【地平社・2000円+税】


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