読み物

書籍紹介

2020年9月25日

文・こやま峰子  絵・藤本四郎

北の里から平和の祈り
ノーモア・ヒバクシャ会館物語

JR札幌駅から千歳方向へ3つめ、JR平和駅から長い跨線橋を渡ると「ノーモア・ヒバクシャ会館」があります。1991年に広島・長崎以外で唯一、被爆者と市民の手で建てられた原爆資料展示館。その2階に展示されたマリア像の物語が戦後75年の今年、絵本になりました。首が折れ、マントがかすかに青い色だったことがわかる像ですが、絵本では青いマントがくっきりと描かれています。
 原爆の被害を描いた絵本が多々ある中、この絵本は「いのち」を大切にしたいという作者の思いが、やさしく、柔らかいタッチの絵とともに描かれています。
 「被爆地・長崎から札幌へ――マリア様像と歩んだ女の子のおはなし」「『平和の館』が北海道にできるまで」で構成されています。
 被爆者の語り部たちが少なくなる中、被爆二世、三世に運動が引き継ぎられつつありますが、優しい絵本でいのちの大切さ、戦争や核兵器の恐ろしさを子どもたちにも伝える一冊になるでしょう。(つ)【北海道新聞社・2000円+税】

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