現場から

「1年ぶりに外を歩いた」

2021年8月27日

道南勤医協 江差町に訪問リハビリST誕生

 7月1日、江差町に道南勤医協の訪問リハビリステーションが開設しました。開設から2ヵ月、江差に移住した2人の青年技士は「町の人の期待に応えていきたい」と前を向きます。(渋谷真樹・県連事務局)

 訪問リハビリステーション「ゆいっこ」の事業所は、勤医協江差診療所内に設置。ここから町内だけでなく、上ノ国町、乙部町、厚沢部町の患者さんのもとに走ります。北から南まで車で1時間以上かかります。

求められる訪問リハ
 開所にあたって、効率良くたくさんの患者さんに対応できる通所サービスも検討しました。しかし、稜北病院から江差診療所に月1度通い、患者さんのリハビリをしてきた理学療法士の笠原毅さんは、地域にリハビリができる施設が少ない現実を見てきました。「寝たきりの方が多く、家から出るだけでも難しい人たちが訪問リハビリを求めています。通所では通うことが難しい。この地域に必要とされているのは、やっぱり訪問です」と話します。
 江差町は坂道が多く、体力の衰えとともに外へ出歩けなくなる人も少なくありません。また、「近所の人たちは子どもの頃からの知り合いです。そのため、今の姿を見せたくない」と、家に閉じこもる人もいます。
 江差や周辺地域でリハビリが必要になった場合、江差町内の介護施設に入るか、地元を離れて暮らすしかありません。そのため以前から訪問リハビリを求める声がありました。
 道南勤医協は江差に訪問リハビリ開設を検討していましたが、月1度リハビリ技士を函館から派遣するのが精一杯でした。今春、6人の技士が入職したことで訪問リハビリ開設が実現。2人の青年が江差町に移住して働くことを決意しました。開設申請時、役所の担当職員にも拍手で歓迎されました。

期待に応えたい
 理学療法士の飯野倫久さんは、一人暮らしをしている80代女性の家を訪問しました。家の前に段差があり、一人で外出するのは危険です。生協の宅配を利用しながら家の中で過ごしています。そこで、家のまわりを歩けるようにトレーニングを始めました。歩行練習のため外に出ると、「一年ぶりに外を歩いた。もう二度と歩けないと思っていた」と喜ばれました。
 「本当に訪問リハビリが必要とされていたことがわかりました。頑張ろうという気持ちになります。今は土地勘がないので道に迷うこともありますが、一人でも多くの人にリハビリを届けていきたい」と飯野さん。作業療法士の田中優作さんは、「住民同士のつながりが強く、みなさんとてもあたたかいですね。地域の期待にそえるよう頑張りたい」と話します。

「評判良いですよ」
 上ノ国健康友の会の川島寿美子さんは、「江差に訪問リハビリができたと、みんな喜んでいますよ。来てくれた青年たちも本当に評判が良く、地域の人に歓迎されています。足腰が弱って外に出るのが困難になっている人など、たくさん利用してもらいたいですね。始まったばかりなので、しっかり地域に根付いてほしい」と応援しています。

現場地域・友の会介護