現場から

「歯の健康格差」なくしたい

2017年5月11日

「保険で良い歯科医療」めざして 署名に全力

メーデーの会場で署名を呼びかけました

 全日本民医連も加盟する「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は、新しい請願署名のとりくみを開始しました。署名の意義と歯科医療の現状を、勤医協歯科の歯科衛生士・市村寛美さんが、北海道民医連社保・反核平和闘争委員会で訴えました。内容を紹介します。

 今回の請願項目は、①お金の心配なく歯科医療が受けられるように窓口負担を引き下げること、②保険のきく歯科医療を増やすこと、③国の歯科医療にかかわる予算を増やすことです。


「経済格差」が「歯の健康格差」に
 歯科診療にかけている金額を調べると、年収200~300万円の人は年収2000万円の人の5分の1程度の金額でした。別の調査では、「過去12ヵ月以内に費用がかかるという理由で歯科受診を控えた」と答えた人の割合は、低所得層で40%にも上っています。経済格差がそのまま「歯の健康格差」になっています。
 実際、私が患者さんに「入れ歯を作りましょう」と勧めると、「いくらかかりますか」とよく聞かれます。入れ歯はすごく高いというイメージを持たれているようです。また「口の中は自己責任」と考える方が多いので、受診抑制が強く働くのではないでしょうか。

保険適用を拡大して
 歯科医療は保険適用の範囲が限定されています。特に新しい技術や材料を使った治療の多くが保険が効かず、非常に高額になります。例えば、義歯の土台を直接骨に植えこんで支えるインプラントや、悪い歯並びやかみ合わせを治す矯正は数十万円もかかります。山梨県では、学童期の子どもの矯正治療の保険適用を求める運動が始まっています。


歯科医療の予算増を
 日本の歯科医療費は1996年からほとんど増えていません。日常的におこなわれている治療53項目の保険点数は25年間据え置かれています。例えば、根の消毒は16点(1点10円)です。
 低診療報酬の影響で、「ワーキングプア歯科医師」という言葉も生まれ、歯科大学や歯学部の入学者が減っています。一番影響を受けているのは歯科技工士で、20~25歳未満の歯科技工士の離職率は8割です。こうした現状の改善を求めて、私たちは全力で署名にとりくんでいます。全道どこにでも行きますので声をかけてください。

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