現場から

暗闇の中 患者に寄り添い

2018年9月13日

苫小牧病院 職員がすぐ駆けつけ

地震でできた隙間(勤医協苫小牧病院)

 9月6日午前3時8分、胆振地方中東部を震源とする震度7の地震により、全道のほぼ全域が停電。断水などライフラインが途絶えました。札幌市内でも道路が陥没。信号機が消え物流が停止、JRも地下鉄も全便が運行を中止しました。こうした状況にもかかわらず、民医連の病院や診療所、介護事業所の職員たちが地震直後から駆けつけ、患者・利用者の安全のために奔走しました。友の会員も炊き出しなどで職員を支えました。

 

 

 震源から約30キロ西にある勤医協苫小牧病院では、大きな揺れが収まってすぐに夜勤者が入院患者さんの部屋をまわって安否を確認。ケガをした人や大きな混乱はありませんでした。
 職員の家の多くは棚が倒れ、割れた食器の欠片が散乱するなどの被害がありましたが、20人がすぐに病院へ駆けつけ、不安になり歩き回る認知症の患者さんには職員が寄り添いました。

手書きでカルテ作成
 高速道路が使えないなど交通が遮断され、札幌から通う職員の中には通勤できない人も。臨時外来を開くだけで精一杯でした。カルテは電子カルテのため使用することができず、手書きでカルテを作って数日分の薬を渡しました。
 この日は55人が外来を受診しました。小澄悦子総看護師長は「普段は1日400人が来院します。週明けには来院していない患者さんが重なるため混雑すると思います。なんとか対応していきたい」と話します。

病院施設が損壊
 施設にも被害が及びました。増築した部分の継ぎ目などにすき間や段差、歪みが生じています。手術室は壁が剥がれて白い粉が床に散らばりました。手術機材はすべて電源を抜き、使用する前にすべて点検しなければなりません。
 入院患者の食事は冷蔵庫にある材料でなんとかまかなうことができました。エレベーターが動かず、職員がリレーで配膳しました。
 電気が通った際のショートを防ぐため、床頭台の裏にあるコンセントをすべて挿し直す作業を医師も参加しておこないました。
 訪問診療などで使用している病院の車がガソリンスタンドに並ぶと店員が気づき、優先的にガソリンを入れてくれてスムーズに往診することができました。
 地域の友の会員からは、豆ご飯や煮物、アイスなどの差し入れがありました。
 職員や友の会員も被災しましたが、それぞれの役割を発揮して地震や停電による影響を最小限にくい止めました。



勤医協日胆在宅

利用者を訪問し安全確保

 震源に近い苫小牧市や日高町、浦河町などに事業所がある日胆在宅では、大きな家具が倒れるなどの被害を受けた職員もいましたが、震災直後からそれぞれの職場に駆けつけて利用者の安全確保や食事の提供をしました。電話で安否確認ができない利用者は直接訪問し、散乱した家具などの整理を手伝いました。
 厚賀センターでは、避難所に行くことができない利用者のために避難所で配られる食事を受け取り訪問。10日からは炊き出しをして利用者さんに届けています。
 地震発生当日はすべてのデイサービスを休業しましたが、夫婦とも認知症の方や同居者が電気関係の仕事で出勤しなければならない方など、どうしてもデイが必要な4人の利用者を停電の中で介護しました。
 地震翌日から営業再開した室蘭センターでは、通常の利用者の他に「余震が不安」「食事がとれない」などの理由でデイサービスを希望している利用者6人を臨時に受け入れました。
 サービス付き高齢者向け住宅「みやまの里」では食事の確保も難しい中、特別体制をとって入居者さんの生活支援を続けました。


現場医療