現場から

受診につながった

2018年12月13日

無低利用者が知人を紹介
北区ぽぷらクリニック

患者さんの話を聞く澁谷事務長

 無料低額診療制度(無低)を利用している患者さんが、無低を友人・知人に紹介して、いっしょに来院してくれたことで受診につながった事例があります。北海道勤医協札幌北区ぽぷらクリニック・澁谷路緒事務長の報告を紹介します。


 無低を利用して定期受診しているAさんが、「もしも無低がなかったら通院できなかった。本当に助かっています」といいました。そして、「実は、私のまわりにも体調が悪いのに保険証がなくて受診できない人が何人もいるので、とても心配です。そのような人を連れてきても相談にのってくれますか?」と聞きました。「もちろん、いつでもお受けします」と私は答え、医療費だけでなく生活面での相談先として、北区の「生活と健康を守る会」を紹介しました。


月収8万・保険なし


 Aさんは数日後、友人のBさんを連れて来院しました。すでに「守る会」で生活相談をしてきたといいます。Bさん(30代・男性)は、無職の兄と2人で暮らし、月収はBさんのアルバイト代8万円のみです。保険証は1年も前に期限が切れ、それ以降は風邪や高血圧の症状が出ても受診できず、市販薬を飲んで耐えていたといいます。
 Aさんの勧めで来院し、その日のうちに無低の手続きをして受診することができました。その翌週には生活保護を申請し、適用されました。Bさんは「やっと安心して治療できる」と明るい表情をみせています。


体調悪くてもがまん


 それから間もなく、Aさんは友人のCさんといっしょに来院しました。Cさん(50代)は建設関係のアルバイトをしていますが、収入は不安定で国民健康保険料が払えず、体調が悪いときも受診をがまんしていました。半年前に役所から送られてきた資格証明証は破り捨てたといいます。糖尿病や末梢神経障害を抱え、来院した日は血圧が高い状態でしたが、すぐに無低を利用して治療を受けました。
 Cさんは2年前に医師から、建設関係の仕事は危険なのでやめるようにといわれていましたが、「この仕事しかできないので現実的には無理だった」といいます。当面は無低で受診を続け、収入がなくなったら生活保護を申請することにしています。
 3人とも無低で受診できたことに感謝していてます。Aさんは「まだ多くの人がこの制度を求めています。多くの人に知らせていきたい」と話しています。「口コミ」の力の大きさと、友人や知人が背中を押すことで受診に結びつく人がいることを今回の事例から教えてもらいました。

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