現場から

マイナ保険証 やっぱりいらん

2025年1月1日

12月2日から新規保険証発行停止 窓口で混乱広がる

12月2日から新規保険証発行停止 窓口で混乱広がる

 石破自公政権は12月2日、国民の反対の声を無視して健康保険証の新規発行を停止しました。この決定により、医療機関ではトラブルが多発し、職員の負担が増加しています。全日本民医連は、これらのトラブル事例を収集し、健康保険証の存続を求める活動をすすめています。


 勤医協ふしこ歯科などから、次のようなトラブルが報告されています

 受診時に患者さんがマイナンバーカードをカードリーダーに読み込ませようとしたところ、「暗証番号使用不可」と表示されました。マイナ保険証をカードリーダーに挟み込み、顔認証または、4桁の暗証番号を入力して確認します。暗証番号は3回誤ると無効になり、市区町村で再登録をしなればなりません。

 患者さんから、「他の病院でも同じようになった。ロックがかかっているかもしれないから役所で確認してくれと言われて行ってきたが、問題ないと返された。それが2回も続いている」と困っていました。そのため職員が役所へ連絡して、状況の説明と対応方法について確認しました。役所の担当者は、カード自体に問題がある可能性があるとして、患者さんがまた役所に行くことになりました。

 その方は再診だったため、前回受診時に確認した保険情報で対応しました。


 受診時に社保高齢受給者証のみを窓口に提示された方がいました。窓口職員が保険証の確認を促すと「今後はこれだけになるので保険証は回収する」と職場から言われて回収されてしまったとのことでした。

 12月1日以前に発行された保険証は最長で1年間は有効です。北海道の場合、国保や後期高齢者医療は今年7月末まで有効で、協会けんぽなどは今年の12月1日まで有効です。

 対応した職員は、「現行の保険証は有効なので、職場の担当の方に再度確認して保険証を返却してもらったほうが良い」と伝えました。この患者さんも再診だったため、前回の保険情報で対応しました。


 健康保険証の有効期間後は、健康保険証とほとんどで変わらない「資格確認書」が自動的に発行されます。12月2日以降、新しい健康保険に加入した人にも「資格確認書」が発行されます。

 また、マイナ保険証を持っている人でも、高齢者などの要配慮者は「資格確認書」を申請すると交付できます。また、マイナ保険証の登録解除も簡単にできます。



 友の会などで、マイナ保険証に関する学習会がおこなわれています。

 マイナ保険証での手続きは、本人であることを確認した後、薬剤情報(2ヵ月以前の情報)などを医療機関へ提供することに合意するかどうかの操作が必要です。IT操作に不慣れな方は手続きに時間がかかります。暗証番号もあるため、職員が代行して操作することが難しくなっています。そのため診察時はこれまで通りの保険証で受付する方が少なくありません。

 昨年11月のマイナ保険証の利用率はわずか18・5%です。福岡厚労大臣は記者会見で「12月2日から8日までのマイナ保険証の利用率が28%に増えた」と得意げでしたが、まだ7割以上の方が紙の保険証を利用しています。

 道民医連の介護保険施設では、緊急のため健康保険証を預かっていました。今後、資格確認書も預かりますが、マイナ保険証は預からないことにしています。

 今年7月におこなわれる参議院選挙の結果次第では保険証復活が可能です。何の問題もなかった健康保険証を存続させるとりくみを広げましょう。

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