現場から

どこに住んでも「受療権」の保障を

2019年10月24日

厚労省が424病院に「再編統合」検討を要求
北海道は全国最多の54病院が該当

公表された道内の公的病院
北海道社会事業協会函館、木古内町国保、国立病院機構函館、市立函館南芽部、函館赤十字、函館市医師会、森町国保、松前町立松前、厚沢部町国保、奥尻町国保、長万部町立、八雲町熊石国保、せたな町立国保、今金町国保、北海道社会事業協会岩内、国保由仁町立、市立三笠総合、市立美唄、国保町立南幌、国保月形町立、栗山赤十字、市立芦別、北海道社会事業協会洞爺、地域医療機能推進機構登別、白老町立国保、日高町立門別国保、新ひだか町立三石国保、新ひだか町立静内、市立旭川、国保町立和寒、JA北海道厚生連美深厚生、町立下川、上富良野町立、猿払村国保、豊富町国保、利尻島国保中央、中頓別町国保、斜里町国保、小清水赤十字、JA北海道厚生連常呂厚生、滝上町国保、雄武町国保、興部町国保、広尾町国保、鹿追町国保、公立芽室、本別町国保、十勝いけだ地域医療センター、清水赤十字、町立厚岸、JA北海道厚生連摩周厚生、標茶町立、標津町国保標津、町立別海

 厚生労働省は9月26日、公立病院や日赤病院など424の病院を「『再編・統合』の議論が必要」として公表しました。全国で1455の公的病院・施設のうち、「診療実績が少ない」「類似の医療実績を有する医療機関が近接している」として、再編・統合を促すものです。北海道は全国最多の54病院が該当しています。


 今回の公表は、地域性を全く考慮せず、全国一律の基準を機械的にあてはめたものです。とりわけ北海道は広大な面積に加え、冬場の積雪などで交通の便が悪く、JRの路線廃止により通院の手段が著しく阻害されています。今でさえ必要な医療を地元で受けることができない受診困難な地域が少なくありません。
 公表された病院の多くが地域に唯一の病院で、近隣医療機関と連携して回復期、慢性期、在宅医療など「地域包括ケア」時代に必要な医療機能を担っています。広大で寒冷な北海道の地域性を無視して全国一律の基準で病床、診療科の再編統合がすすめられると、無医地区、受診困難地域がさらに広がり、「住み続けられない」地域の拡大に拍車がかけられ、道民のいのちと健康が脅かされることになります。
 政府は、医療費を削減するためには病床を大幅に減らす必要があるとして「地域医療構想」をもとに地域ごとに病床削減計画を作成するよう求めてきました。
 厚労省は、再編・統合は「強制ではない」としていますが、今回公表した病院がある地域の自治体などに対し、2020年9月までに再編・統合の結論を出すように求めています。


医療者の確保困難に


 医療施設を再編・統合するのではなく、必要な医療従事者の確保・育成に力を尽くし、どこに暮らしても安心できる医療供給体制を整備することが国に求められています。
 全道の自治体病院関係者からは、「医師・看護師が確保できず、必要な医療機能、ベッドを埋めることができない」という声があがっています。自治体や病院独自の努力では、医師、看護師、医療技術者を確保することが難しくなっています。


地域医療を守る


 全日本民医連は9月30日、今回の公表を撤回することを厚労省に求め、「安倍政権がすすめる医療費削減のみを目的とした医療機関の統廃合ではなく、国民の健康権を保障しうる医療供給体制の構築に向けて幅広く共同を広げていく決意である」と表明しました。
 北海道民医連は、「地域医療と公立病院を守る道連絡会」に結集し、対象とされた54病院へのアンケート調査と関係者、地域住民、関係団体との懇談などを通じて、地域医療を守るとりくみをすすめていくことにしています。

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