現場から

安心して「薬が飲める」 患者さんから喜びの声 続々

2020年4月23日

浦河町 無低利用者に薬局の薬代を助成

薬代助成開始の通知にガッツポース(左から、上田弥奈看護師長、澁谷譲所長、荻野節子町議会議員)

 浦河町で無料低額診療制度を利用している患者さんを対象にした薬代の助成が、4月1日から実現しました。実施している自治体は、道内では旭川市、苫小牧市、東神楽町、東川町に続き5番目。全国でも8ヵ所目になります。


 薬代の助成の実現は、勤医協浦河診療所が患者さんの困難事例をもとに5年間訴え続けてきた成果です。さっそく患者さんから電話で問い合わせがありました。「友人から、無料低額診療の利用者は薬代の助成が始まると聞きました。いつからですか?」。職員が始まっていることを伝えると、「薬代が払えなかったので、間引いて飲んできた。普通に飲めるようになり、本当に助かります」と喜びました。
 夫婦で受診している患者さんは、「薬代が何千円もかかっていたけれど、助成された分でお米を買うことができます」と感謝します。
 「薬代助成を求め町長と交渉」の新聞記事を台所に貼っていたという患者さんは、「記事に向かって祈っていたんだよ。本当によく頑張ってくれましたね、ありがとう」と看護師に声をかけました。

町民に広く周知を
 町内の調剤薬局を岩澤大輝事務長が訪ねました。最初に訪問した調剤薬局の職員は、「すでに町の担当者が来て、協力を要請されていました。薬代が高いという相談をよく受けていたので、困っている方に制度を知らせたい」と語りました。また、薬代助成が決まった後に町役場を訪問すると、池田拓町長が「想いはみなさんと一緒なので、多くの方に広げてほしい」と声をかけました。
 岩澤事務長は、「助成されたことを知らない方に、広く周知していきたい」と話しています。





【解説】保険調剤薬局と無料低額診療


 社会福祉法にもとづく無料低額診療制度は、1951年に始まりました。当時、診療後の調剤はすべて院内薬局で、無料低額診療の適用となった場合は薬代の自己負担も減免の対象となりました。しかし、1974年から政府が「医薬分業政策」を打ち出し、1990年代には8割の医療機関で院外処方せんを発行するようになりました。
 保険調剤薬局には無料低額診療制度が対象外のため、患者の負担が発生することになりました。全日本民医連は国に対して繰り返し無低適用を要請し、国会でもとりあげられてきました。しかし厚生労働省は認めていませんでした。このため私たち民医連は、国の制度ができるまでの間、自治体が補助する制度を広げるとりくみを進めています。

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