現場から

地域を丸ごと見る医学生らが患者訪問

2026年7月24日

地域の歴史や暮らしの背景にふれる
勤医協札幌西区病院(協力・釧路協立病院)

地域の歴史や暮らしの背景にふれる
勤医協札幌西区病院(協力・釧路協立病院)

勤医協札幌西区病院で6月20日、患者さんが暮らす地域を知り、生活者として全体を診ることの大切さを学ぶ「地域医療フィールドワーク」が行われました。参加した6人の医学生と医師をめざす高校生1人は、先輩医師とともに患者さんの自宅を訪問。地域の歴史や生活背景にふれながら、地域医療の視点を学びました。(渋谷真樹・県連事務局)


出発前、総合診療のポイントについてレクチャーした釧路協立病院の澁谷仁美副院長は、「患者さんを病気だけでなく、家族や生活背景も含めて地域全体の中で診ることが大切です。今日は、その人の暮らしに目を向けてみましょう」と参加者に呼びかけました。

また、札幌西・手稲健康友の会の高松功会長、西区病院の今石寛昭院長が歓迎のあいさつをしました。


開拓の歴史が今につながる

一行は最初に西区病院の近くにある「手稲記念館」を訪れ、西区と手稲区の歴史を学びました。

北海道民医連健康友の会連絡会の横山博子会長は、「西区病院周辺は、多くの苦労を重ねて開拓された地域です」と紹介。厳しい自然と向き合いながら地域を築いてきた人々の歩みに耳を傾け、患者さんの暮らしを理解する上で欠かせない地域の歴史を学びました。


暮らしの中にある地域医療

その後、グループごとに患者さんを訪ねました。旭川医科大学のSさんたちは、西区に住むWさん宅を訪問。Wさんの自宅周辺は急な坂道が多く、冬は転倒や車のスリップ事故が絶えない地域です。Wさんは現在も町内会役員として地域活動に携わり、毎朝の新聞配達で足腰を鍛えていると笑顔で話します。戦後の暮らしや地域の移り変わりを生き生きと語る姿に、学生たちは熱心に耳を傾けました。

病院では見えない患者さんの生活や地域とのつながりにふれ、「生活する人」として患者さんを理解する大切さを実感する時間となりました。


心に留めたい医師の心得

病院に戻った参加者は、それぞれの訪問先で感じたことを交流しました。

札幌医科大学の学生は、「訪問前に質問や進め方をていねいに準備している職員のみなさんの姿も勉強になりました」と話しました。別の学生は、「ハトを飼っている人や、家の中でタバコを吸っている人など、今までに出会ったことがない方がいて、それぞれに生き方や楽しみをもっていることがわかりました」と語りました。また、「訪問先の患者さんが『身体に触れて全身を診てくれる医師が本物。薬を出すだけではダメね』と言っていました。心に留めたい」と振り返りました。

Sさんは訪問を通じて、澁谷医師が講演で話した「生活背景を包括的に捉える」ことの大切さを実感したとのべ、「患者さんの幸せを支えられる医師になりたい」と感想を寄せました。

最後はココナッツチキンカレーやオードブルを囲みながら交流。患者さんの生活背景を診ることの大切さを大いに学び、地域に支えられる医療のあたたかさにふれる一日となりました。

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本物のチーム医療を実感

上砂川診療所で学生が医療実習

勤医協上砂川診療所では7月15~16日、札幌医科大学の4年生2人が地域医療実習を行いました。

学生たちは鹿野哲所長による訪問診療や外来に同行。職員からは上砂川町の歴史や診療所の役割について説明を受けました。また、歌志内市の資料館「ゆめつむぎ」を訪ね、じん肺患者らでつくる「かつがせ会」の樋本守会長と面談。炭鉱の歴史や労災の実態について耳を傾けました。

実習を終えた学生は、「多職種が密に連携し、患者を深く知る『本物のチーム医療』を実感できた」「圧倒的な距離の近さや、炭鉱の歴史に根ざした医療の必要性を学べた」と感想を寄せ、地域に寄り添う医療への理解を深める実り多き実習となりました。(荻生剛毅・県連事務局)

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