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お金の心配なく受診を

2021年8月13日

北海道民医連 道庁で記者発表 無低利用を呼びかけ

事例を報告する、左から小市会長、小内事務局長、行沢部長

 北海道民医連は8月4日、道政記者クラブで記者発表をおこないました。新聞社が取材するなか「手遅れ死亡」事例を含むコロナ禍を起因とした困難事例を報告し、無料低額診療制度(無低)の普及と公的支援の充実を求めました。


受診抑制につながる政策は見送るべき


 小市健一会長は、全国706ヵ所の民医連の院所・事業所に2020年の1年間で国保料滞納・無保険、経済的事由などにより、辛い症状があっても医療費を心配して受診が遅れ、病状が悪化して死亡した事例が、全国20都道府県で40件、道内で2件あったことなど調査の概要を報告。「もともと厳しかった生活にコロナ禍が追い討ちをかけている中で、75歳以上の医療費窓口負担2割化など受診抑制につながる政策は見送るべきだ。助かるはずの命を助けるために、必要な医療・介護を受けられる制度の確立に向けてとりくんでいきたい」と訴えました。
 小内浩事務局長は、手遅れ死亡事例の概要と無低の推移、利用状況、コロナ禍の影響などを報告。「コロナ禍で受診控えもあり、全体の患者数が減っている中、相談件数は増えている。しかし、相談につながったのは氷山の一角で、実際にはもっと深刻な事態が広がっていると思われる。経済的理由で医療へのアクセスを諦めさせないために、窓口負担の引き下げ、生活保護利用手続きの簡素化などの施策を国や自治体に求めていきたい」とのべました。


負のスパイラル断ち切りたい


 続いて、コロナ禍で収入が途絶え、受診を控えている間にがんが悪化して亡くなった50代男性など、2つの事例を勤医協中央病院医療福祉課の行沢剛部長が報告。「もっと早く治療していたら救えていたと思うと非常に残念。体調が悪化し仕事ができなくなり、収入が途絶えて受診を控えるという『負のスパイラル』を断ち切るために、医療費の心配がなく治療できるようにとりくんできたい」とのべました。


相談は氷山の一角


 取材記者からの「コロナ禍以前と比べて手遅れ死亡事例が増えていない理由は」との質問に、行沢部長は、医療現場にはコロナ禍によって生活困難になった方の相談が増え、その多くが手遅れになる前に受診につなぐことができていると回答。小内事務局長は、年間2228人が無低を利用し、減免額は道民医連の医療機関で1億円を超えていることを紹介しました。
 最後に小市会長は、「私たちはさまざまな方法で無低の利用を呼びかけているが、まだ多くの人に知られていない。お金のことが絡んでくるので相談しにくいこともあると思うが、収入が途絶えている方にこの制度を活用してもらいたい」と呼びかけました。

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