ムーヴメント

「会話って大切」と実感

2017年8月24日

医師めざす学生が患者訪問
家庭医療セミナー

シリーズ医学対なう


 今回は、月寒ファミリークリニックでの「家庭医療セミナー」を紹介します。


 月寒ファミリークリニックでは夏休み中の医系学生を招いて「家庭医療セミナー」を毎年開催しています。 8月14~15日には医師をめざす2人が診療所の業務を見学し、地域に出て患者さんを訪ねました。
 旭川医科大の鈴木織江さんと札幌医科大学の藤野光優さんは、ひとり暮らしをしている佐藤道子さん(96歳)を訪ねて、今の暮らしぶりや若い頃の話などを聞きました。
 はじめは「若い人たちに何を話せばいいのかしら」と緊張していた斎藤さんは、話しているうちに表情が柔らかくなりました。婚約者が戦地に行ったきり帰らぬ人となった辛い経験、最愛の旦那さんを亡くし、悲しさのあまり家にこもっていたこと、自身の病気との向き合い方、クリニックの職員が優しいことなど、たくさんのことを次々に語りました。
 「今は親戚やヘルパーさんに来てもらって、ストレスも困っていることもないの。もし心肺停止したら蘇生しないで、夫のところにいきたいって先生に言ってあるのよ」と言いながらも、「これから英語を勉強したいわ」と笑顔をみせます。
 訪問を終えた鈴木さんは、「前向きな姿勢に感動しました。お互いに緊張していたのに徐々に打ち解けてきたので、時間をかけて話を聞くことは大切だと実感しました。まわりの人たちが支えているから安心して元気で生活できるのだと思います」。藤野さんは、「何気ない会話の中から生活背景に気づくことができますね。どうやって病院に通っているのかなどを知っていれば、治療方針も変わってくると思います。勉強になりました」と、それぞれ気づいたことを話しました。
 また、クリニックで外来看護、薬局、事務の日常業務を見学。「外来看護師さんは何でもできて、患者さんの顔を見ながら問診していてすごい」「薬剤師は患者さんにしっかり説明して薬を渡し、ミスがないように工夫していた」「事務は受付や会計で患者さんの仕草をみて、変化を見逃さないようにしていると聞いて驚いた」などと語りました。
 塩原康弘院長は、「学生たちの素直な感想に私たちも初心を思い出し、良い勉強になります」と話しました。

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