ムーヴメント

いまも氷点下に暮らす人がいる

2018年1月25日

冬のホームレス調査に職員が参加

「ホームレスは今、どうしているの?」若者たち30人が街に出て調査しました。厚労省は毎年、全国いっせいに「ホームレスの実態に関する調査(概数調査)」を実施しています。野宿者支援団体「北海道の労働と福祉を考える会(労福会)」が札幌市の委託を受け、14日の深夜から早朝にかけて野宿者を探しました。道民医連からも3人の職員が参加しました。(渋谷真樹・県連事務局)

 


 「職場の学習会で生活困窮者の事例を学んで、自分にできることはないかと思っていた」と参加したのは老健柏ヶ丘・SWの大内麻央さん。午前2時から労福会の職員、大学生といっしょに、白石駅と厚別駅周辺をまわりました。
 吐く息が白いマイナス5度、商業施設の明かりが消え薄暗い中、懐中電灯を手にベンチや階段の下、ビルの隙間を見回ります。


 市民から寄せられた情報をもとに、国道沿いの橋の下に向かいました。深雪を踏みしめて川辺へ降りると鍋で炊事している跡があり、橋脚と橋桁のわずかな隙間に黒い寝袋のようなものが見えました。今回は人数調査のため声をかけませんでしたが、ここで生活している人がいるようです。風雪は防げても外気温と同じ。真っ暗な中、真上を通る車のタイヤの音がゴーゴーと不気味に響きます。「誰の目にもふれないような暗い場所で息を潜めているのですね」と大内さん。
 このほか、24時間営業のボーリング場や札幌駅周辺の商業施設、地下歩道を朝6時まで調査しました。



 「寒い中でどうやって過ごしているのか知りたかった」と参加した勤医協歯科・事務の石崎龍之介さんは、他の参加者と大通公園周辺をまわりました。「市役所近くの外のベンチに寝袋をかぶっている方がいました。屋根はあるけれど寒いでしょう。仕事や家を失う前にくい止める手段があれば野宿せずにすんだかもしれない。もっと早く救えないのかと考えながら見回りました。職場のまわりにも困っている人がいるかもしれないので留意していきたい」と話しました。



 「年越し派遣村」が話題になった2008年頃から相談窓口やシェルターが増え、救済措置がとられるようになり、野宿者の数は減っていると労福会の山内太郎代表は話します。「野宿者が高齢化しているので、体調を崩して入院し路上生活を終える人も多くなっています。一方、路上生活を脱した人がその後どうなっているのかは追跡が難しく、ネットカフェなどにいる場合は見えなくなってしまいます」と問題点を指摘します。また、「年一度だけ真冬の夜に実施される調査では正確な人数はわからない」といいます。
 今回の調査結果は厚労省から発表される予定です。

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