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生活の声を運動の力に

2018年4月11日

「5年連続1万件訪問の成果と課題」
北海道勤医協・近藤良明さんが発表

 第13回学術運動交流集会(昨年10月)で北海道勤医協の近藤良明さんが道央健康友の会「強化月間」のとりくみについて発表した「5年連続1万件訪問の成果と課題」が高く評価され、第43回全日本民医連総会で表彰されました。1万件の訪問・対話は、「生活と労働から疾患をとらえる」とする民医連綱領の実践につながり、訪問後に自治体と懇談したことなどその後の運動につながっていることが評価されました。発表の要旨を紹介します。


 北海道民医連道央ブロックでは、1994年に北海道勤医協の病院と診療所20ヵ所のまわりに友の会をつくり、1999年に北海道勤医協友の会連絡協議会を結成しました。2012年には道央健康友の会となり、現在は、21の健康友の会と11万人の会員が所属しています。
 秋の「強化月間」では、2004年から地域訪問を柱に据えた活動を本格的にとりくみました。2012年から2017年までの5年間は5年連続で1万件以上の訪問を達成。5年間の平均は職員1333人、友の会員681人が参加して、1万2567件訪問し4976件と対話、そして1343人の会員を拡大しています。
 訪問は職員が友の会員といっしょに院所・事業所周辺の住宅や団地を一軒一軒訪ねたり、友の会新聞の手配り担当者と会員をまわります。また、無料低額診療制度を利用している方、職員が気になる患者・利用者さんを訪問することもあります。訪問先では、医療や介護の相談だけでなく様々な困りごとなども聞き、必要な場合は制度の紹介などもおこないます。また、署名の依頼、無料低額診療制度の紹介、友の会健診、友の会入会申込案内、勤医協基金・寄付金のお願い、健康まつりや秋の行事のお知らせをします。
 「月間」前には各友の会と民医連事業所がいっしょになってスタート集会を開催し、「月間」中はそれぞれでニュースを発行して各地のとりくみを共有し運動を推進します。
 医師も積極的に訪問行動に参加しています。西区病院、苫小牧病院では院長を先頭に、全医師が健康相談会の講師活動をしています。
 薬局法人は、無料低額診療を利用する患者さんの訪問を4年間続けました。貧困に苦しみながら療養する患者さんを目の当たりにし、あらためて職員が民医連医療に確信を持つ訪問になっています。
 エレベーターのない古い団地を訪問すると5階に高齢の患者さんが住んでいるなど、さまざまな困難を抱えた方に出会います。「朝から頭が痛くて何も食べられない。お願いだから病院に連れて行って」と、助けが必要な方もいました。
 「月間」後には、社保協と民医連、友の会が自治体への要請行動や懇談会を開き、地域の方々の切実な声を伝え改善を求めていま


「訪問は楽しい」
 白石健康友の会では、訪問行動への参加者が少ないため、高齢の役員が何度も参加せざるをえず、負担が大きくなっていました。そこで、他の友の会のように友の会新聞の手配り担当者に参加をよびかけました。最初はしぶしぶでしたが、「あなたがいつも新聞を届けてくれるのね。いつもありがとう」と訪問先で感謝されたことが嬉しく、「訪問は楽しい。また行きたい」と変わったということもあります。その結果、訪問行動に参加する友の会員が2・5倍になりました。
 現在、約2千人の手配り担当者が、約3万5千部の友の会新聞を配達していますが、担い手が減少しているため増やすとりくみが必要です。地域をよく知る手配り担当者が職員といっしょに地域訪問することで職員は安心し、地域の方は職員がいるので安心します。訪問行動を通じて職員と友の会員の絆を深めることが手配り担当者の増加につながるのではないでしょうか。
 友の会といっしょに無差別・平等の地域包括ケアを実践していきたいと思います。貧困と格差、高齢化と孤立化がすすむ中、訪問中に深刻な事例に遭遇するケースが増え、医療、介護、SOS相談につながっています。このような深刻な実態を告発し、「受療権」「健康権」を守るとりくみにつなげたいと思います。
 訪問にはじめて参加した地域友の会員が友の会の役員になるケースも生まれており、すべての友の会員に訪問行動への参加を呼び掛けることが重要です。そして新しい力を加えながら、新たな班づくりや居場所づくりにつなげていきたいと思います。

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