ムーヴメント

勤医協誕生の源流を辿る

2024年9月27日

JET会が小樽診療所で学習

JET会が小樽診療所で学習

講演した中井所長といっしょに「J」ポーズ

 9月14日、勤医協小樽診療所を会場に、JET会主催の学習会「勤医協の成り立ちと地域とのかかわり」がおこなわれ、勤医協苫小牧病院や芦別平和診療所から11人が参加しました。(岸上利光・県連事務局)


 事務職員の横のつながりを強め、元気になる研修会をめざしてJET(事務JIMUが楽しくENJOY教えあうTEACH)会が2021年に発足し、自主的に学習会を開催しています。これまでコロナ禍によりオンラインで交流してきましたが、勤医協小樽診療所を会場にはじめて集合開催。今回の学習会は、経営困難な今だからこそ、改めて勤医協の成り立ちや地域とのかかわりを学び、勤医協らしさやその魅力について理解を深めることを目的としています。


 勤医協小樽社員支部副支部長鎗水孝雄さんが小樽の歴史について話しました。小樽は明治以降、港町として急速に発展し、港湾労働者が急増。しかし、低賃金や過酷な労働により労働争議が沸き起こり、1926年には道内で初めてのメーデーが開かれました。その中で小林多喜二が育ち、戦後も革新運動が活発におこなわれました。

 鎗水さんは、地域の人々が「多喜二の故郷に勤医協を」と働きかけ、開院を実現してきたことを紹介。「小樽運河埋め立て反対運動にも診療所の職員が立ち上がり、景観を維持するために尽力した」とのべ、職員の活躍に期待を寄せました。


 つづいて、勤医協小樽診療所の山本将太事務長が診療所のとりくみと地域の役割を報告。また、小樽診療所に勤務していた石崎冴理さん(芦別平和診療所事務長)と千葉一輝さん(中央病院医事二課係長)が、それぞれ小樽で経験した「SDHとまちづくり」「友の会活動強化月間のとりくみ」について振り返り、現在の職場でも活かされていると話しました。


 午後は中井秀紀所長が「北海道勤医協の源流と多喜二が生きた時代」と題して講演。多喜二も参加していた無産者診療所開設運動が勤医協発足の原動力になったことや、地域の高齢化・過疎化により地域が衰退している状況を話し「綱領の立場から、日常診療で一人一人の患者さんの困難に気づき、高齢者も住み続けられるまちづくりの一員として、一人の患者さんの困難に立ち向かうことがいま求められている」と強調しました。

 参加者は、「小樽ならではの歴史があって診療所を作ったことを初めて知った」「アウトリーチの必要性を学び、言いたいことを言えずにいる患者さんの思いを聞けるよう意識していきたいと思った」「病院に誇りを持てるような仲間を増やすために、職場でも地域や民医連の歴史を学び、勤医協の魅力を広めていきたい」と感想を寄せました。

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