ムーヴメント

世論の力で引き上げ阻止を

2019年12月12日

75歳以上医療費が原則 2割負担に⁉

 11月25日におこなわれた財政制度等審議会の「令和2年度予算編成等に関する建議」で、2022年度から75歳以上の高齢者の医療費を2割負担にすることがもりこまれました。
 「建議」では、消費税10%の引き上げは「全世代型社会保障制度に向けた第1歩だが、後代への負担の先送り状態は継続しており、財政再建のためには今後も国民への負担を求める」としています。特に「団塊の世代」が後期高齢者になりはじめる2022年度を目前に、負担と給付の見直しを含めた改革を「速やかに実行すべき」としています。
 社会保障に関しては社会保険方式で、後期高齢者医療、介護保険は5割を公費で賄っており、高齢化の進行で公費負担の支出が増加していること、加えて公費抑制に有効な手立てがとられなかったことで給付と負担のバランスが大きく崩れているとしています。さらには、75歳以上の高齢者の医療費は年間1人あたり91万円の負担、74歳以下の4倍に膨れあがるため、現役世代の保険料負担を圧迫しているとして世代間の公平を理由に75歳以上の一部負担引き上げを正当化しようとしています。
 この間、政府厚労省は医療保険の一部負担の引き上げや、保険料の軽減措置の縮小など国民負担を強いるときには「世代間の公平」を掲げてきています。しかし、実際におこなわれたことは負担を重いほうに合わせて結局すべての世代の負担を増加させています。
 さらに見逃せないのは、「現役世代並みの所得」がある高齢者は3割負担ですが、政府は現在の単身世帯で年収370万円の基準について引き下げをおこない、「現役世代並みの所得」がない世帯にも3割負担を拡大しようとしています。
 医療や介護の必要性が高い高齢者に、若い世代と同じ負担は公平なのでしょうか。わずかな年金も毎年のように削減が繰り返され、高齢者の貧困はとても深刻な問題です。その高齢者に医療費2割負担を求めることは、病院代が払えない、病気になっても病院に行けない、そして手遅れ死の増加につながります。
 先日のNHKの世論調査では、この2割負担化に賛成が40%だったのに対し、反対は49%でした。
 日本の財政を危うくしてきたのは社会保障支出ではなく、消費税増税とセットでおこなわれてきた法人税減税と富裕層への所得減税、大型公共投資です。肥大化する防衛費も見過ごせません。
 税の集め方と使い方を歪めてきた安倍政権に対し、「いのち」を切り捨てる75歳以上の医療費負担増反対の声と世論を広げていきましょう。

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