ムーヴメント

「ただいま」と保健室に入る子どもたち

2020年2月13日

「子どもの貧困」テーマに学習会

「子どもの貧困」テーマに学習会

講演する本間さん

 2月1日、「ただいま!といえる地域でありたい~子どもの貧困をなくすために」をテーマにした学習会が札幌市白石区菊水で開かれ、職員37人、まちづくりや居場所づくりで連携してきた町内会の役員、民生委員、児童委員など14人含め85人が参加しました。
 講演した琴似工業高校養護教諭の本間康子さんは、多くの生徒が大変な家庭環境、貧困やさまざまな困難を抱えていることを紹介。
 「生徒は、『ただいま』と言って保健室に入ってきます。私は、朝はスムージー屋さんになって生徒の話を聞き、昼はマッサージ屋さんになってふれあいます。放課後はカフェになりました。そんな保健室を『経営』していました」と、生徒たちが会話やふれあいを求めていることを指摘。「今の学校は『自立と適応』というミッションで生徒を縛り、評価・判断の基準は『進学率』『就職率』などです。そんな数値から子どもの本当の姿が見えるでしょうか」と問いかけました。
 また、生徒たちが誰かに相談するときは、相手が専門的知識を持っているか、どんな職業かではなく、「この人は話せる人間かどうか」で判断するとのべ、ただ寄り添うことの必要性を訴えました。
 会場の参加者から、「小児科に勤務しているが、中学校を卒業すると関わりが薄くなってしまう。どのように継続させていけばいいか悩んでいる」「すべての高校生に『自己責任』はないと思う。大人が勝手に作りだした困難を引き受けさせられているだけ」「孤立させないようなコミュニティが大事。連携して情報を共有する必要がある」など、たくさんの意見や感想が寄せられました。(西村伊久夫・県連事務局)

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