ムーヴメント

公的病院「統廃合」で予測される影響

2020年3月12日

全日本民医連 第44期定期総会
小市会長が「反対」広がる日高地方の実態を紹介

 2月20~22日全日本民医連第44回定期総会が熊本県で開催され、運動方針、43期決算、44期予算、役員体制が承認されました。小市健一道民医連会長は「北海道における、へき地医療と公立・公的病院の再編統合」として発言注目されました。要旨を紹介します。

 

 北海道の無医地区は、地区数でも居住人口でも突出し、全国1位です。無医地区は年々減少していますが、「医療機関ができて無医地区が解消した」のは10%程度に過ぎず、 ほとんどが人口減少とわずかな交通の改善によるものです。けっして医療機関が増えて医療が受けやすくなったわけではありません。
 こうした中、地域医療の要である「公立・公的病院の再編統合」が昨年9月に厚労省から通知されました。北海道は54病院と、これも不名誉な1位です。
 私は現在、日高町にある勤医協厚賀診療所の所長を兼務しています。北海道に93あるへき地診療所のひとつで、職員体制と地域の人口減少により、診療は週2日です。2015年の高波被害以降、不通となっているJRの廃線が決まり、高齢者の通院は「困難から不可能」になりつつあります。


日高町唯一の公的病院が統廃合の対象


 その日高町で唯一の公的病院が再編・統合の対象にされました。一般34床の小さな町立病院ですが、町内の救急車は時間外もすべて搬送され、近隣唯一の小児科と24時間対応の在宅医療を担っています。加えて、学校医、特養・老健の属託、保健予防活動など、町民生活に不可欠の存在です。
 日高2次医療圏は7町で構成され、面積は東京都と神奈川県を足したよりも大きいですが、医師数は「医師偏在指標」で、全国355の2次医療圏中、ワースト3位の「医師少数区域」です。その中に町立病院は4つですが、そのうち3つが再編・統合の対象になりました。


自治体からも怒り  道議会は意見書可決


 早速、日高町立病院と、隣町の新ひだか町と懇談しました。日高町長は、直ちに「病院存続」を町民に約束し、かつ自治体との事前の話し合いもない突然の発表に怒りを表明しました。
 新ひだか町は、平成の町村合併のときに2つになった町立病院の再編構想について議論を開始した矢先で、町民や病院職員に大きな混乱を与えたことに困惑していました。
 自治体病院は、民間が手がけない不採算部門もとりくんで地域医療を守っています。しかし、 病院の赤字が自治体の赤字をふくらませていることも事実です。
 道議会をはじめ、多くの市町村議会で国への意見書が可決され、「病床削減を迫る地域医療構想は、地域の議論の停滞や混乱をもたらし、地方自治の精神にも反する」と批判する議会もあります。
 北海道民医連は、自治体や自治体病院と連携・懇談し、住民参加の「自治体病院を守る会」などと力を合わせて、共同組織とともにまちづくりの視点で、地域医療、へき地医療を守るとりくみを発信していきたいと思います。

 

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