ムーヴメント

希望ある未来 切り拓こう

2026年4月9日

北海道民医連 第33回総会運動方針案のポイント

北海道民医連 第33回総会運動方針案のポイント

 北海道民医連第33回総会を4月25、26日に札幌市内で集合開催します。本総会は、全日本民医連の方針を具体化し、憲法改悪を許さず、いのち・暮らし・ケアが大切にされる社会・組織をめざすために、今後2年間の方針を確立する重要な場です。総会方針案のポイントを解説します。(小内浩・道民医連事務局長)


 方針案は3つの章で構成されています。第1章では、この2年間を振り返り、今後に活かす経験や教訓を明らかにしています。


《第1章》教訓と課題を未来に向けて明らかに

 私たちは重点課題である「医師不足」「経営危機の打開」にとりくみ、全日本民医連の支援を受けて県連機能を強化してきました。あわせて「ケアの倫理」を学ぶ運動を通じて職場づくりを進め、民医連への確信を深めることができました。

 医療・介護改悪を阻止するたたかいでは、マスコミを通じて現場の実態を告発し、ケアの大切さを発信してきました。社会的な共同と政治的影響力が広がり、改悪を食い止める力になっています。この前進面を土台に次期方針を確立します。

 一方で、民医連で働いてきた医師・職員が職場を去り、厳しい状況もうまれています。共同組織との活動はコロナ禍後、前進しつつありますが、地域の高齢化により困難に直面しています。あらためて「なんのため、誰のため」の民医連なのか、到達を確認しながら貴重な経験を総括・教訓化することが、私たちの今後につながります。

 特に、全日本民医連の支援をうけ、指摘を受け止め、豊かな経験と教訓を明らかにして、今後の県連・法人の管理運営を変えていかなくてはなりません。

 この間の教訓として、以下の6点にまとめました。①経営面だけでなく、全ての活動での目標達成を当たり前とする文化の醸成、②事業規模に合わせた職員配置の最適化、③過度な協力借入金依存からの脱却、④全国的な教訓の徹底活用、⑤職員の経営参画を支えるマネジメント力の向上、そして⑥県連内での相互援助機能の強化です。


《第2章》いのち、ケア、人権の新しい危機的フェーズ

 第2章は、私たちをとりまく情勢の特徴を明らかにしています。世界ではロシアのウクライナ侵攻やイスラエルによるガザ攻撃、トランプ政権による主権侵害など、国際法を無視した武力行使が続いています。あわせて、気候危機や経済格差、人権軽視の動きも強まっており、国際秩序は深刻な危機にあります。

 日本では、物価高騰が国民を苦しめ、医療・介護現場は倒産や廃止が相次ぐ崩壊の危機に直面しています。しかし国は、軍事費の大幅増を推し進めています。OTC類似薬の保険除外や高額療養費の引き上げなど、さらなる負担増も計画されており、国民皆保険制度は存続の岐路に立たされています。

 一方で、平和といのち、ケアの平等を求める運動が世界でも日本でも広がっています。この間、地域医療を守る運動や「介護ウェーブ」が診療・介護報酬の増額を勝ち取る成果も上げました。世界と日本が歴史的な岐路に立つ今、私たちは新たな危機的フェーズに直面しています。

 北海道では、医療・介護・生活への要求が増大する中、人口減少による担い手不足が深刻化しています。札幌圏でも人口減が始まり、地方では医療や交通の廃止が加速しています。
 全道で貧困と格差が広がり、ミサイルや弾薬庫が身近な地域で配備される状況にあり、「非戦・人権・くらし」を掲げる北海道民医連の役割がかつてなく重要になっています。


《第3章》学びと対話でケアに満ちた社会と組織を

 第3章は、「今後2年間の方針」です。改憲を許さず、経営危機、医師・職員不足を打開し、非戦を掲げ、いのちと人間の尊厳を守り、ケアが大切にされる社会・組織をめざすとりくみを前にすすめなくてはなりません。希望ある未来をつくるため、2020年代後半期の中長期計画は2026年中に確定します。

 2030年に向かう後半期にあたり、戦争する準備や気候危機、地域医療、介護の崩壊などの事態が進んでいます。今こそ憲法を守り活かし、道民のいのちと暮らしを守り、平和で安心して住み続けられるまちづくりを進めることが運動面の最大の課題です。

 内部的な最重点課題は、「経営危機の打開」と「医師・看護・介護の職員体制づくり」の2点です。県連機能を発揮し、直面する危機の克服と、病院リニューアルを含む中長期経営計画の策定を急ぎます。複合的な課題を抱える患者・利用者が増える中、法人ブロック、地域・エリアで各事業所が協力しあい、医療・介護・生活支援を一体的に展開していく連携強化がポイントになります。

 医師・看護・介護の職員不足は現場任せにせず、北海道民医連全体の力で打開していきます。そのためにも、「魅力ある職場づくり」を重視します。

 特に「医師体制の確立」は、私たちの生命線です。医系学生との学びや対話を広げ、各病院に全職種と友の会が協力し、医系学生委員会を設置します。このとりくみを通じて、私たち自身が民医連らしい実践に確信を持ち、誰もが働き続けられる組織をめざします。

政治・社会ムーヴメント読み物シリーズ・講演