ムーヴメント
「入院ベッドをなくさないで」
和寒町 医療体制に関する町民説明会
町長が無床化を表明
和寒町 医療体制に関する町民説明会
町長が無床化を表明
6月23日、和寒町が主催する「医療体制に関する町民説明会」がおこなわれ、町から和寒町立病院の無床診化の方向性について説明されました。
和寒町立病院は村立の病院として昭和26年に開設。一時は76床(一般、結核、伝染病)を有しましたが、現在は一般病床30床となっています。
政府・厚生労働省は医療費を削減する目的でベッド数を減らすための「地域医療構想」を推進しています。しかし、各地での削減計画が一向にすすまないため、昨年9月に公立・公的病院全国424病院(うち道内54病院)を名指しました。和寒町立病院もベッド削減の対象にされました。
町では、厚労省の発表前から町立病院の無床化の議論を始めていました。昨年5月から町議会の常任委員会で検討され、昨年9月の議会で奥山盛町長が年内に方向性を示すことを表明していました。その最中に厚労省の発表があり、昨年12月に議会の定例会で町長が無床診療所の方向性を表明し、今回の説明会になりました。
町は今回、①常勤医師2人という厳しい医師体制。他のスタッフを含め確保が厳しいこと、②入院患者数が10年前と比較して7割減少していること、③経営的に厳しく、町からの繰入金が年々増加していることを理由に、病床廃止の必要性を説明しました。
町長は、「医師確保に最大限力を尽くしてきたが厳しい状況。医師やスタッフの勤務負担軽減や確保のためにも病棟を持ち続けることが困難で、大変残念な提案になった」と語りました。
時間外や休日の診療も廃止に
町立病院が無床診療所になると、時間外や休日の診療対応ができなくなるため、和寒町民は町外の医療機関に受診しなければなりません。交通手段を持たない住民にとっては深刻な問題です。
説明を受けての質疑で町民からは、「非常に残念。町だけで解決はできない。国にもっと働きかけをしてほしい」「国の方針にただ従うのではなく、どんなに厳しくても町民のためのベッドを守ってほしい」などの声が寄せられました。
今後、道北勤医協友の会連合会は和寒友の会や地域の人たち、病院の再編・統合の問題にとりくんでいる議員と連携し、国・道への要請や町との交渉をすすめていくことにしています。(高野哲哉・道北勤医協)