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今こそ「公助」を

2020年11月27日

「コロナ禍による困難事例調査」
道民医連が記者発表で「公的支援」訴え

「コロナ禍による困難事例調査」
道民医連が記者発表で「公的支援」訴え

 北海道民医連は11月18日に北海道庁で記者発表をおこない、テレビや新聞などマスコミ8社が駆けつける中、手遅れ死亡事例を含む「コロナ禍を起因とした困難事例調査」の結果を報告。生活困窮事例を紹介し、公的支援の充実を求めました。


 道民医連の小市健一会長は、全国の民医連の院所・事業所に435件、道民医連に22件の相談が寄せられていることを紹介。「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、非正規雇用などの経済的不安定層を中心に全世代の人々が困窮している実態が明らかになった。医療費がなくて受診を断念することがないように、無料低額診療などを活用してもらいたい」と呼びかけました。また、国や自治体に対して「自助」の強要ではなく、「公助」の役割を発揮するよう求めました。


コロナ禍が追い打ち


 小内浩事務局長は、コロナ禍で無収入になったため受診できず、痛みを我慢してがんが進行し手遅れになった60代男性のケースなど、道民医連に寄せられた22事例の概要と特徴を紹介。
 「以前から経済的に不安定な人々が仕事や収入を失い、いっそう困難に陥っている。病院代や保険料を払えず、受診したくても我慢して重症化や『手遅れ死』を招いている。医療保険は現物給付が基本だが、実際には保険料や一部負担金が高すぎるため行き届いていない。社会保障制度の改善と、普通に働けば当たり前に生活できる社会づくりが必要」と訴えました。


悲しい事例を紹介


 勤医協中央病院医療福祉部の行沢剛部長は、調査期間後にあった「手遅れ死亡」事例(2面に詳細)を紹介。国や自治体に対し、保険料滞納者への柔軟な対応とコロナ対策給付金や福祉灯油などの公的支援の重要性を訴えました。
 記者から、「今後は民医連としてどのようにとりくむのか」と質問が寄せられ、小内事務局長は、「これまでも自治体に国保法44条を適用した窓口負担減免などを求めてきたが、さらなる公的支援の拡大を求めていきたい」と回答。無料低額診療制度を広く周知させることの必要性を強調し、道民医連としてポスターの掲示や相談会にとりくんでいることを紹介しました。
 記者発表はニュース番組などで報道され、道民医連事務局に生活相談や問い合わせが寄せられています。

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